2015年9月21日月曜日

八丈島の巨大廃墟 -オリエンタル・リゾート-


八丈島を海岸沿いに巡っていると、小さな島にはあまり似合わない巨大な建造物が現れる。
遠くから見ても一目で廃墟だとわかるその建物は、昔はオリエンタルリゾートというホテルを名乗っていたらしい。



まさにバブル時代のスケール感そのままの、堂々たる建物。
広大な太平洋の海が一望できる場所にあり、立地は良かっただろう。
海がすぐそこにあったにも関わらず、敷地内には沢山のプールがあった様だ。
今は殆どが草に覆われて、最盛期の様子を想像することは、そう簡単ではない。


入り口には、これまた立派な門柱が立っている。
何年も海風にさらされると、コンクリートと言えど劣化が激しい。


建物に囲まれた庭は、自然に帰りつつあった。


屋内はなんとなく人の生活感があり、ちょっと気味が悪い。
どこからか水滴の落ちる音が聞こえ、薄暗い空間に響き渡る。


2005年まで営業していた事もあってか、まだ色んなモノが残されている。
太陽の光を反射する白い壁が、不気味かつ美しい。


建物の構造は、高度成長期を感じさせる贅沢な作り。
赤絨毯に誘われるように、階層を上がってみる。


海が一望できるこの空間は、ちょっと現役時代の雰囲気を残しているのかもしれない。


建物を外から見ただけでは分からなかったが、崩壊は着実に進んでいるようだ。
海側の部屋はやはり風当たりが強いのか、天井が落ちて原型をとどめていなかった。


崩壊の現場を見てしまうと、頭上の豪華なシャンデリアも凶器に思えてくる。
階段の向こうに伸びる長い廊下も非常に暗く、とても進む気にはなれない。


ふと足元を見ると、部屋の鍵が落ちていた。
318号室はもう一つ上の階層だが、このままそっとしておいてあげよう。


帰り道、どこか悲しい顔の女神を見ていたら、向かいの窓から視線を感じた。
気のせいだろう…きっと。



Nikon D800 +
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED (@n4okichi)

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